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こはくのうず – 第8章:真のこはくマスター

こはくパワーはわたしたちの間に引き出され、まるであらしの中で つな引きしているみたいだった。

「これこそがパワーの真の実力だ。思い知れ!」と、しょだいマスターは高わらいした。「パワーをあたえられし者などいない。すべて うばって手に入れるものだ。わたしが こはく をつくったのはそのためであり、その力をわたしがふたたび 使う日がきたのだ!」

自分の中からパワーが うしなわれていくのを感じながら、その言葉がグサッとわたしにつきささった。

「しんじないわ!」とわたしは大声で言い返し、さいごの気力をふりしぼって、パワーを取りもどそうとした。「そのパワーの持ち主がだれか、ってことが大切なんじゃない。それをどう使うかが大切なのよ!こはくは ほかの人のパワーをうばうためにつくられたのかもしれないけど、わたしは、ほかの人に役立てたいの!だんけつ するのよ、うらやむのではなく!」

これがキメ手になったのよ。そのしゅんかん、今まで感じたことがないほど、何もかもがハッキリして、黄色い強い光がはなたれ、しょだいマスターをあっとうしたの。

「ぜったい わたさない。お父さんにも、あなたにも!」

しょだいマスターは、その場にくずれおちた。すっかり打ちのめされ、気力もつきはてたのね。その後ろで、くさりが音を立てた。もともと、ゆうれいだったんだけど、どんどんうすくなっているみたいだった。しょだいマスターの目をみると、自分のうんめいをわかっているようだったわ。

そのすがたの後ろでグリーンエネルギーが光り、暗黒世界へのとびらが開いた。長い年月の間、かじ屋をつなぎとめていた くさりが消えうせ、かじ屋は、さけび声をあげてジタバタと ていこうしながら、とびらへと引きずりこまれていった。

いっしゅん、そのとびらの向こうに、わたしを見ているお父さんのすがたが見えた気がしたんだけれど、かじ屋がとびらの向こうに行くと同時に、緑色のけむりとともに、とびらも消えてしまったの。